人から良かれとかけられる言葉

母の介護のために故郷に戻って足掛け10年になる。娘は中学に入る時私についてきた。夫は家で自分の母親の介護を義姉と協力してしてやっている。離れ離れの生活がもう10年…。

 

親を早くに亡くした人によく言われる。「介護できていいですね。自分はできなかったから。幸せだと思わないと。頑張ってくださいね。」

 

この10年の間には紆余曲折あり、様々な介護サービスや施設にお世話になってきた。その時その時いろんな事情があり、やむなくサービスを変更することを余儀なくされてきたのだが、その変化が認知症を悪化させたのかもしれない。

 

この頃の母は、感情の起伏が激しく、いいときと悪いときの差が天使と悪魔、ジキルとハイド程違っている。毎日母の機嫌に振り回され一喜一憂し、せん妄のスイッチが入ったときは、大声で怒鳴り、杖を振り回す。そんな母に殺意さえ芽生えることもある。このままでは私のメンタルがダメになる…という危機感。テレビのニュースで目にする介護にまつわる殺人事件は他人事ではないなと思う。

 

羨ましいですか?親の介護を10年以上もしたいですか?

一緒に暮らす前から含めると15年くらいになるだろうか。

父は42歳で惜しまれながら亡くなった。写真の中の父は若いまま。

私の中では、惜しまれながら亡くなるうちが華ではないかと思うこともある。

 

容易に自分の価値観で「羨ましい」とか「頑張って」とか言わないでほしい。人それぞれおかれている環境や状況で受け止め方は全然違う。あなたにどう見えているか知らないけど、これでも私は一生懸命頑張っている。辛く悲しいけれど、毎日母の老い、認知症と向き合っている。

全く無責任な言葉。悪気がないのはわかるけど、とても無神経だし暴力的だと思う。頑張りが足りないと言われているみたい。

 

介護サービスを生業とする人なら尚更注意すべきだと思う。